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概念

ケルト神話に出てくる妖精(Fairy)や中国の伝説に描かれる奇怪な生き物のように、日本の「おとぎ話」にも妖怪(Yokai)という名の摩訶不思議な生き物がたくさん登場する。「ひとつ目の化け物」(一つ目小僧)、赤ん坊の泣き声で人をだます「小人のおじいさん」(こ泣きじじい)などは、おなじみのキャラクターだ。ときには妖怪は生き物ではなく、不思議な現象として現れることもある。妖怪は、昔話や漫画、アニメ、そして映画などで「ちょっと怖い話」として度々描かれている。

 

樽屋タカシは、奇怪な霊魂が私たちの日常生活のどこかに潜んでいる場面を描いているが、彼はモチーフとして妖怪のひとつ「つくも神」に焦点を当てている。つくも神は、長らく使われた「道具」や「器」に霊魂が宿った妖怪で、ときには人に悪さをしたり、からかったりもする。「つくも」とは数字の99のことで、100年に近い「長い長い年月」とか「たくさんの種類」という意味を持つ。日本人には、長い間使った日常道具……たとえば箪笥やふすま、そして鍋釜から箸にいたるまで、それらに愛着をもち、感謝し、道具を敬う習慣がある。そして、一本足と一つ目の傘や、手足がはえた盥(washbowl)など、奇怪な姿の「つくも神」は不気味でありながら、コミックのようになにやら滑稽だ。

 

 

 

 

 

 

 

大量消費時代の真っただ中で樽屋タカシが触発されたのは、日本古来の「つくも神」の存在だった。物を粗末に扱い、果ては使い捨てにされた物が環境を破壊し、ゆがんでいく社会を見つめ、アーティストとして、また1人の人間として、自身の作品に「つくも神」の精神を投影しようと一大発心。そして、日本の絵師達が700年前から繰り返し模写してきた「つくも神絵巻」や妖怪画を、最先端の画材と技法を用い、伝統的な金箔張りを加え、独自の視点で現代に蘇らせた。樽屋は「大量消費をするな、という上から目線の警告ではなく、賢く、無駄なく消費し、限られた資源を有効に循環しましょう、というメッセージを『つくも神』に込めています。ですから、畏れ多い神様の姿でなく、ユーモラスで可愛く描いているのです」と語っている。

 

樽屋の作品では、我々が日常見慣れているコンビニやカフェ、ガソリンスタンドなどの中に「妖怪・つくも神」が生き生きと息づいている。見る者は、時の境界を飛び越えて架空の世界に引き込まれてしまう。作品に込められているユーモアを内包するアクティブな精神が、現代社会を生きる私たちに、未来への希望をもたらしてくれる。

プロフィール

1974年、日本の鹿児島県に生まれる。高校在学中からレタリングを習得し、看板を描くアルバイトではすでにプロの腕前を発揮していた。大学では主に油彩を学び、在学中より、ミケランジェロやボッティチェルリの作品を模写し、それを素材とした巨大壁画や天井画の制作に取り組む(オーストラリアとニュージーランドにて)。海外で壁画の制作に取り組むうち、伝統的な日本画手法で描かれた妖怪、特に「つくも神」に惹かれて、古典絵巻の模写を始める。さらに金箔を画面に貼り込む技術を独学で習得し、自身の作品に取り入れる。2009年、初の個展を開催し、以来、独自の「つくも神」の世界を描いて好評を得ている。

News
日本の妖怪

アメリカフロリダ州の「PAUL FISHER GALLERY」にて樽屋タカシ展を開催してきました。

「樽屋タカシ展」
ー 時世のサイン 現代の神話と歓喜 ー
2016年1月15日 〜 2月9日
「PAUL FISHER GALLERY」
433 Flamingo Drive West Palm Beach , FL , USA 33401
C : 561. 818 . 3235  O : 561. 832 . 5255
http://www.paulfishergallery.com/

「Artexpo NEW YORK 2015」

アートエキスポ ニューヨーク2015は終了致しました。世界中から多くの芸術出版社、画廊や作家が集い有意義な展覧会となりました。 今回はじめて海外で展示をすることができ、日本では得られない多くの事を肌で感じ取ることができたようです。次への糧としてまた明日から羽ばたいていきます。ありがとうございました。

妖怪は日本の民間伝承にみられる超自然的な生き物で、鬼や狐の化け物など、様々な性格のものがいる。かっぱや天狗のように動物と人間の両方の要素をもつものもいる。
江戸時代(1603~1867)の浮世絵師、鳥山石燕による妖怪画集『画図百鬼夜行』にも多くの妖怪たちが描かれていりう。一方現代に目を向けると、1960年代に漫画家の水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』が大ヒットし、後にアニメやキャラクターなども作られた。最近では「妖怪ウォッチ」のような漫画作品のヒットから、妖怪をモチーフにしたグッズが人気を博している。妖怪は今、日本のポップ・カルチャーの中にしっかりと根付いている。また最近、アメリカでも妖怪がブームになってきて「YOKAI」という言葉が、「OTAKU」や「KAWAII」と並んで定着している。

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